わたしを知るエニアグラム

エニアグラム タイプ別 チームでの貢献と多様性の活かし方：自分を知り、チームを楽にするヒント

エニアグラムで紐解くチームの才能：自分と他者の貢献スタイルを知る

チームで仕事を進める際、様々な個性や能力を持つメンバーが集まることで、より大きな力を発揮することが期待されます。しかし、それぞれの考え方や仕事の進め方が異なるために、時として意見の衝突やスムーズな協働が難しくなることもあります。

エニアグラムは、私たちがどのように世界を認識し、反応するかというパターンを理解するための強力なツールです。自分自身のタイプを知ることで、チームの中でどのような役割を自然と担いやすいか、どのような貢献をしやすいかが見えてきます。そして、チームメンバーそれぞれのタイプを知ることで、その人が持つ独特の才能や貢献スタイルを理解し、互いの違いを尊重しながら協働を進めるヒントが得られます。

この記事では、エニアグラムのタイプごとに、チームの中でどのような貢献をする傾向があるのか、また多様なタイプが集まるチームの力を最大限に引き出すためにはどうすれば良いのかについて解説します。エニアグラムを通して自分自身とチームへの理解を深め、より円滑で生産的なチームワークを実現するための視点を提供いたします。

エニアグラム タイプ別 チームでの貢献スタイル

エニアグラムには9つの基本的なタイプがあり、それぞれが異なる強みや視点を持っています。これらの違いは、チームの中での役割や貢献の仕方に自然と現れます。ここでは、各タイプがチームにどのような価値をもたらす傾向があるかを見ていきましょう。

タイプ1：完璧を追求する人

• チームでの貢献: 質が高く、倫理的な視点からの貢献が得意です。規範や基準を重視し、プロジェクトの正確性や信頼性を高めます。物事を改善するための建設的な批判や、プロセスの効率化に対する提案を行うことがあります。責任感が強く、任されたタスクを最後までやり遂げる信頼性があります。
• 活かし方のヒント: プロジェクトのレビューや品質管理、ルールの策定など、正確さと規範意識が求められる役割で力を発揮します。建設的な意見として受け止め、改善に繋げる姿勢が重要です。

タイプ2：人を助ける人

• チームでの貢献: チーム内の人間関係を円滑にし、メンバーをサポートすることに長けています。他者のニーズを察し、助けを提供することでチーム全体の士気を高めます。協力的な雰囲気を作り出し、メンバー間の橋渡し役となることがあります。
• 活かし方のヒント: チーム内のコミュニケーション促進、新メンバーのオンボーディングサポート、メンバーのモチベーション維持に関わる役割で貢献します。彼らのサポートを適切に受け入れ、感謝を示すことが大切です。

タイプ3：達成する人

• チームでの貢献: 目標達成に向けてチームを牽引し、効率的に成果を出すことに注力します。行動力があり、チームを鼓舞して前進させる推進力となります。具体的な成果や成功を追求し、プロジェクトを期日内に完了させるために尽力します。
• 活かし方のヒント: 目標設定、計画実行、成果の可視化など、結果を出すことに重点を置く役割で力を発揮します。彼らの推進力を活かす一方で、成果を急ぐあまり細部がおろそかにならないよう、他のメンバーとのバランスを取ることが重要です。

タイプ4：個性を大切にする人

• チームでの貢献: 独自の視点や創造性でチームに新しいアイデアをもたらします。一般的な考え方にとらわれず、深みのある洞察や独創的な発想を提供します。感情への理解が深く、人間的な側面からチームに貢献することがあります。
• 活かし方のヒント: ブレスト、コンセプト開発、問題解決の場面で型破りな視点を提供します。彼らのユニークな発想を評価し、表現しやすい環境を整えることが、チームの創造性を高める鍵となります。

タイプ5：観察する人

• チームでの貢献: 情報収集と分析に基づいて、客観的で論理的な視点を提供します。複雑な問題を構造的に理解し、専門的な知識をチームにもたらします。感情に流されず、冷静な判断を促す存在となります。
• 活かし方のヒント: 調査、データ分析、リスク評価、専門的な助言など、知的なリソースが求められる役割で大きく貢献します。情報や分析結果を求める際には、彼らが集中して取り組める時間や環境への配慮が必要です。

タイプ6：忠実な人

• チームでの貢献: チームへの忠誠心が高く、共通の目標達成のために献身的に取り組みます。潜在的なリスクや問題を予測し、事前の準備や対策を講じることでチームの安全性を高めます。規則やプロセスを遵守し、チームの安定に寄与します。
• 活かし方のヒント: プロジェクトの計画段階でのリスク分析、安全対策、ルールの徹底などに関わる役割で力を発揮します。彼らの懸念を傾聴し、安心感を提供することが、その貢献を引き出す上で重要です。

タイプ7：熱心な人

• チームでの貢献: 楽観的で前向きなエネルギーをチームにもたらし、雰囲気を明るくします。新しいアイデアを次々と生み出し、可能性を広げます。困難な状況でもポジティブな側面を見つけ、チームのモチベーション維持に貢献します。
• 活かし方のヒント: 新規プロジェクトの立ち上げ、アイデア出し、困難な局面でのムードメーカーとして貢献します。彼らの多様なアイデアを受け止める一方で、実現可能性や計画性についても建設的な議論が必要です。

タイプ8：挑戦する人

• チームでの貢献: リーダーシップを発揮し、チームを力強く前進させます。困難な状況でも恐れずに立ち向かい、決断を下すことができます。チームやメンバーを守るために行動する頼りになる存在です。物事を率直に述べ、停滞を打ち破ることがあります。
• 活かし方のヒント: リーダーシップが求められる状況、交渉、困難な決断が必要な場面で力を発揮します。彼らの率直な意見や行動力を評価する一方で、威圧的にならないよう、他のメンバーとの調和や意見の尊重も意識することが重要です。

タイプ9：平和を好む人

• チームでの貢献: チーム内の調和を保ち、意見の対立を和らげる役割を果たします。多様な視点を理解し、異なる意見を統合しようと努めます。チーム全体の安定と平和な協働を促す存在です。
• 活かし方のヒント: チーム内の仲裁、意見調整、合意形成のプロセスで重要な役割を果たします。彼らの落ち着いた影響力と多様な意見を受け入れる能力は、チームの結束を高めます。彼らの意見も尊重し、主体的な参加を促すことが大切です。

チームの多様性を活かすための実践ヒント

エニアグラムは、チームメンバーそれぞれが異なる「得意技」を持っていることを教えてくれます。これらの多様な貢献スタイルを理解し、尊重することが、チームの力を最大限に引き出す鍵となります。

1. お互いの貢献スタイルを認識し尊重する:

   • チーム内でエニアグラムについて話し合う機会を持つことで、メンバーは自身のタイプからくる貢献スタイルを自覚し、他のメンバーの異なるスタイルを理解するきっかけを得られます。
   • 例えば、詳細に気づきリスクを指摘するタイプ6の貢献は、アイデアをスピーディーに進めたいタイプ7にとっては「慎重すぎる」と感じられるかもしれません。しかし、タイプ6の視点があるからこそ避けられるリスクがあることを理解すれば、互いの貢献の価値を認め合えるようになります。

2. コミュニケーションスタイルの違いを理解する:

   • タイプによって、情報をどのように受け止め、どのように表現するのが得意か異なります。例えば、論理的で簡潔な説明を好むタイプ5がいる一方で、人間的な側面や感情を重視するタイプ2やタイプ4もいます。
   • 相手のタイプを理解することで、より効果的なコミュニケーション方法を選ぶことができます。全員に同じアプローチをするのではなく、相手に合わせた伝え方を意識することで、誤解を防ぎ、スムーズな情報伝達や意見交換が可能になります。

3. 課題解決や意思決定プロセスに多様な視点を取り入れる:

   • チームで問題に取り組む際、意識的に多様なタイプの視点を取り入れることが重要です。
   • 例えば、新しいアイデアが必要な時にはタイプ4やタイプ7の創造性を、リスク評価にはタイプ5やタイプ6の分析力を、実行計画にはタイプ3やタイプ8の推進力を、チーム内の合意形成にはタイプ9やタイプ2の調整力を活かすといったように、それぞれの強みが最も発揮される場面で役割を分担したり、意見を求めたりすることができます。

4. 自身の貢献スタイルを理解し、柔軟性を養う:

   • 自分のエニアグラムタイプを知ることは、チームにおける自身の自然な貢献スタイルや得意な役割を理解する第一歩です。自身の強みを自覚し、積極的にチームに貢献することは重要です。
   • 同時に、自身のタイプの「影」、つまりチームで困難に直面しやすいパターンや、他のタイプの視点を取り入れることの重要性も理解できます。例えば、詳細を詰めすぎる傾向があるタイプ1は、時には完璧でなくとも前に進むことの重要性を学ぶことで、チームのスピード感を損なわずに貢献できるようになります。自身のタイプに囚われすぎず、チーム全体のニーズに応じて柔軟に振る舞うことを意識することで、より貢献の幅が広がります。

まとめ

エニアグラムは、私たち一人ひとりが持つユニークな才能や、チームの中で自然と発揮される貢献スタイルを理解するための有益なフレームワークです。タイプごとの傾向を知ることは、自己理解を深めるだけでなく、チームメンバーの異なる強みや視点を認識し、尊重することに繋がります。

チームにおける多様性は、適切に活かされれば大きな力となります。エニアグラムを通じて、互いの違いを単なる「違い」としてではなく、チームを豊かにする「多様性」として捉えることで、誤解や衝突を減らし、より生産的で協力的な関係を築くことができるでしょう。

自分自身の貢献スタイルを知り、チームメンバーの多様な才能を理解し、活かすこと。これは、より「楽」に、そして効果的にチームで協働していくための重要なヒントとなるはずです。ぜひ、エニアグラムの知見を日々のチームワークに役立ててみてください。